彼らについて







 ジャンカルロ? ああ、あのラッキードッグか。
 オルトラーニ? ああ、ミスタオルトラーニのことか。

 彼らについて?

 あんた、あの二人の何が知りたいんだ。確かにラッキードッグはオルトラーニと懇意にしているようだが、ミスタカヴァッリの縁だろう。何もおかしいことはない。歳の差? ただのソルダートと幹部がやけに気安い? おいおい、あんた、こそこそ嗅ぎまわるつもりなら気をつけろよ。
 あの二人はファミーリアだし、確かに懇意のようだがね。あの少年は、ミスタオルトラーニの弱みかもしれん。だがミスタオルトラーニはラッキードッグの兄貴分だ。兄貴は弟を守るし、弟だって兄貴を尊敬してるもんさ。
 だからこそ下手なことをすると――おい、あんた、ミスタオルトラーニをそんな、侮辱するようなこと……

「――噂をするとそいつが来るんだっけ? いやー、ホントだったな」

 ジャンカルロ。よう、いらっしゃい。

「ボンジョルノ、おっちゃん。コーラあるけ? あ、その瓶のまんまでいいさ。おくれ。それでさ、オニーサン? ここはCR:5のシマのカッフェで、俺はそこの戦闘員。ドンオルトラーニ直属ってわけでもないけどネ。そんな中、ちょろちょろと嗅ぎまわって何してくれちゃってるのかしらー。俺に金でもやってドンの弱み引き出すつもりなのけ? だったら時間の無駄、止めとけって。ちょろちょろ周り嗅ぎまわったり、くだらねえ噂流すような真似しか出来ねえヤカラがいくら頭働かせても、ベルナルドをどうこう出来るわけがねえダロ。……おわかり? アンダスタン? そんじゃ、ま、――とっととお引き取りを」

 ほら言わんこっちゃない。
 弟を使って兄貴を陥れようなんて考えん方がいい。次は、よく考えて来ることだ。敵に回していいものと、悪いものを。またのお越しをお待ちしておりますよ、旦那。













2010.05.06.